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わたしの指で わたしの心で 魔法の歌を 奏でたい ―― 素人ピアノ弾きの綴るピアノに関するあれこれ
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ハノンとツェルニー
こーじさんのところで、「ハノンとツェルニーは練習すべきか?」を考察した興味深い記事を拝見しました。今回はこの記事を受けて、私なりのハノン&ツェルニー観を書いてみたいと思います。

結論からいうと、私は

(1) ハノン・ツェルニーは大人のレッスンには必要ない
(2) しかし、子供のレッスンではある程度効果がある
(3) ただし、その効果が「指の鍛錬」であるとは限らない

という見解です。

まず大人のレッスンについてですが、こーじさんのblogでも紹介されているサイト「ピアノレッスンのヒント」に書かれている意見は、私が今の先生に言われたこととほとんど一致します。端的にいうと

・ツェルニーが弾けるようになっても、その曲が弾けるようになるにすぎない。
・ツェルニーは右手に偏っている。
・曲に出てくる難しいテクニックは、その曲を使って練習すればよい。
・ハノンの音階・アルペジオ練習は役に立つ。

ということです。
おそらく、ハノンやツェルニーで基礎的なテクニックを習得することは、他の曲を短期間で弾く場合には有効だと思います(例えば初見演奏など)。ただ、目的の曲があるのに別の曲でテクニックを練習するのは、隣の家に行くのにその家とは逆方向にひと回りするようなものではないかと…。ただでさえ、大人の方は時間がないですし。なので私は、曲に出てくる難しいテクニックはその曲の中で練習しています。
という訳で、大人のレッスンでは敢えて基礎練習をする必要はないんじゃない?というのが私の意見です。

では、子供のレッスンについてはどうでしょう。
自分の経験を踏まえて、私なりの意見を書かせていただきます。

子供の頃のレッスンでは、ハノンもツェルニーも課題に入っていました。ただし私は、ハノンはレッスン前に楽譜をチラ見するだけ、ツェルニーはレッスン前に一度弾くだけでレッスンに行っていました…。
その頃の私にとって、曲を弾くこと=楽譜を音にすることであり、いかに綺麗に弾くかとかそういうことに無頓着でした。実際、どんな曲を弾くときも音が出ればよかったので、指使いがめちゃめちゃだったり。
しかも、ハノンやツェルニーなどの練習曲はゴールではないという意識がなんとなくあって、真面目に練習していなかったのではないかと思います。発表会の曲や他の曲集はそこそこ真面目に練習していたので…。

ただ、ハノンやツェルニーを使ったことで、今の自分の糧になっているなぁと思うものもあります。
ハノンでは、1~31番までを12の長調で弾く練習をしたこと、
そしてツェルニーでは、和声分析をしたことです。

ハノンには12の長調と12の短調・合計24調の音階練習(39番)が含まれているので、そこで24調の基本を覚えることができます。ただ、音階で順番に弾くとわかるけど、少し変化するとわからなくなる、というのは自然なことだと思います。これに対し、1~31番を移調して弾くことは、それぞれの調に対する応用練習だといえます。ト長調やヘ長調など簡単な調だと移調も簡単ですが、変ト長調や変ニ長調になると一筋縄ではいきませんでした。

私はこの練習をすることによって、それぞれの調での音の進み方や、各調の雰囲気を耳で覚えることができたように思います。これは、古典派やロマン派の楽曲で調性を判定するときに大いに役に立っていると実感しています。

ただひとつ問題があって、12調の練習をする際に、
  ハ長調 (C dur) → ト長調 (G dur) → ニ長調 (D dur)
→ イ長調 (A dur) → ホ長調 (E dur) → ロ長調 (H dur)
→ 変ト長調 (Ges dur) → 変ニ長調 (Des dur) → 変イ長調 (As dur)
→ 変ホ長調 (Es dur) → 変ロ長調 (B dur) → ヘ長調 (F dur)

という12調でやってしまったため、嬰ヘ長調 (Fis dur) がものすごく苦手です
嬰ヘ長調=変ト長調な訳ですが、この調性に関して変ト長調で練習を積んでしまったため、楽譜が嬰ヘ長調で書かれていたとしても、どうしても変ト長調に聞こえてしまいます。なので、譜読みの際に楽譜の音と実際聞こえる音が違うような気がして、ものすごく混乱してしまいます。例えばショパンの「舟歌」も、楽譜は嬰ヘ長調ですが、私の耳には変ト長調に聞こえます。最初の右手最高音は、GisでなくてAsです。ショパンの「舟歌」を弾こうとしてもちっとも進まないのは、これが原因のひとつであると私は確信しています(笑)

次にツェルニーですが、ツェルニー30番なんかは特に、ものすごくオーソドックスな和声進行でできています。なので、和声分析にはもってこいです。私がやっていたのはものすごく単純な分析でしたが、属調へ転調して主調に戻って解決して終了、みたいな基本的な流れはそれこそ体で覚えました。ハノンで学んだ調性感と合わせれば、古典音楽の和声分析はそこそこできると思っています。ツェルニーが古典を弾くのに役立つ、と言われているのはこの辺の理由じゃないかと考えています。

ただ私の場合、本当に単純な和音しか習わなかったので、減七やドッペルドミナントとか、特殊な和音が出てくるとお手上げです(ドッペルドミナントは関係の説明はできたけど、意味づけは最近まで知りませんでした

また、そのような自然な和声進行の曲を多く弾いてしまったので、耳で判別できる和音は単純だと感じるようになってしまった、という副作用もあります私がドビュッシーやバルトークなどに魅力を感じるのは、この辺りに理由があるのではないかと考えています。

ちなみに私は今、「基礎練習」としてバッハ「2声のインヴェンション」をレッスンしています。その目的は、基本的な打鍵や指の独立の練習、強拍・弱拍を意識したメロディーの弾き方を覚えるためです。それに加えて、バッハの曲はベートーヴェンやショパンや、あるいはドビュッシーの曲など全ての基本なので、構成の基本などいろいろなことが学べるだろう、という理由もあります。これは打鍵の基本ができていない私に限った話かもしれません。ただ、基礎=ハノン・ツェルニーだけでなく、そういう方法もあるんだよ、というお話です。

以上、長々と書きましたが、ひとつの体験談として参考になってくれれば幸いです。
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2007/09/12 Wed | ピアノ雑談 | トラックバック(0) | コメント(2) |permalink
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コメント

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詳細~!
 straysheepさん、こんばんは^^
まず、リンクの件ですが、ウチは先ほどさせて頂きました♪
紹介文等、もし不都合あれば修正しますので、
ご遠慮なく言って下さいね^^)v
今後とも宜しくお願い致しますm(_ _)m

 ところで、記事拝見しました!
詳細で大変勉強になりました。
ハノンは、1部を移調奏すると調性が身に付くんですね~。
実は僕は、調性を殆ど理解してないんですよ。
昔、丸暗記したのですがすっかり忘れました!
アルペジオとスケールは全調したんですけどねw
「シャープ4つで・・・・嬰ハ・・・短調??だっけ?」
という低レベルな感じですw
 したがって、和声も殆ど分かってません。
ただ、簡単なコード(7thくらいまで)は読めるので、
それを当てはめる事は出来ますが^^;

>隣の家に行くのにその家とは逆方向にひと回りするようなものではないかと…。

 これは、僕も同感です。
子供はスポンジみたいな凄い吸収力がありますが、
大人はその点悪いので、良く考えて練習曲は選ばないと^^;
一生懸命練習しても「単なる時間の無駄」
という事態に陥る危険性が大いにありますからね~。

 そして、バッハの2声インベンション!
これは最高のエチュードですよね。
「バッハの曲はベートーヴェンやショパンや、あるいはドビュッシーの曲など全ての基本」というのも全く同感です。
 た最初とっつき辛いのが難点ですが^^;
個人的には4~5曲くらいすれば、インベンションのパターンに慣れて段々と弾きやすくなってくると思うんですよ。
でも、1~2曲して「自分に合わない!」と早合点してバッハを避ける方が結構多く感じられるので・・それが凄く残念です。
2007/09/12 Wed| URL | こーじ | edit
To: こーじさん
長い文章、最後まで読んでくださってありがとうございますv-435
リンクも確認致しました。こちらこそよろしくお願いします♪

> 実は僕は、調性を殆ど理解してないんですよ。
> 昔、丸暗記したのですがすっかり忘れました!

やはり、スケールだけだと覚えにくいんでしょうか。
調性自体(“♯3つはイ長調”とか)は法則を覚えれば簡単なんですけど、
それぞれの構成音を覚えるのは難しいかもしれません。
だとすると、私がハノンで教わったことも役に立っているのかなーと思います。
本来の使い方じゃない気がしますがi-229
まぁ、こういう例もありますってことで…。
ちなみに私も、減7の和音は "dim" って書いてます(笑)

>  そして、バッハの2声インベンション!
> これは最高のエチュードですよね。

本当にそうですよね!
ピアノ友達の方々に、インヴェンションを始めたことを話したら、
皆さん口を揃えて「それはいい勉強になる」と言ってくださいました。
実際ものすごく勉強になってます。簡単に見えてめちゃめちゃ難しい…。

> 1~2曲して「自分に合わない!」と早合点してバッハを避ける

うは、これ子供の頃の私www
実は私、子供の頃インヴェンションやってないんですよねv-356
1番だけ弾いて全然できなかったので避けてしまいましたe-327
今も決して得意ではないな…。始めてもう10ヶ月近くなりますが、
まだ5曲しか弾いていません。2ヶ月に1曲ペースかよ!
2007/09/13 Thu| URL | straysheep | edit
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